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現場の裏側まで見せちゃいます!! ~木造平屋住宅改修工事 第二弾~

こんにちは、ディレクターの太田です。
先日、一昨年竣工したお家の定期点検に行ってきました。

定期点検に行くと竣工時とは違いお家の中にお客様の「生活」という要素が加わった状態を見ることができます。
こんな風にお家を使われているのかというのを見ることができるのでいつもワクワクします。
さて、前回の引き続きで改修工事進め方・現場の裏話を紹介していきます。
このお家もどのような使い方でお客様が生活をしていくのか今から楽しみです。

 

改修工事の作業風景

お家のインナーマッスル

以前、耐震工事で建物を補強しレベルアップさせる方法を紹介しました。
現場の裏側まで見せちゃいます!! ~木造平屋住宅改修工事 第一弾~

耐震工事の内容はお家の外壁側に構造用合板を張り、壁を補強する方法が一般的です。

 

外壁側に構造用合板を張っている様子

改修工事において外装の改修を行わない内部工事のみの場合でも壁を補強する耐震工事の方法もあります。
それは、元の内壁をすべて撤去しお家の内部側から補強壁を作る方法です。
今回の工事では大半の壁をこの方法で補強しました。

 

元あった内壁を撤去した状況

補強壁を作るには構造用合板や強化されたプラスターボードなどを張ります。
それらを張るには新たな下地材を柱に打ち付ける必要がある場合があります。
ここで下地を新しくする際に水平垂直を見直すいい機会にもなります。

この家のように築年数が経った木造住宅になってくると木の性質により目で見てもわからない程度で柱などが傾いている場合があるからです。

 

水平垂直を見直して下地材を取付けた様子

下地の準備が出来たら壁材を張っていきます。今回使った材料は補強された石膏ボードです。
このボードは通常の石膏ボードよりも繊維が密になっており耐震材料として使えます。
繊維が密になっている為、なんと一枚当たりの重量が約35㎏もあります。

石膏ボードとは:石膏を芯材として、その両面と側面をボード用紙で被覆したボード。
建築用語引用:住宅建築専門用語辞典 http://www.what-myhome.net/index.html

今回使用した石膏ボード:タイガーハイパーハードT 吉野石膏株式会社 https://yoshino-gypsum.com/

 

この二山で約2.5tもあるんです

重たいボードを大工さん一人で張っていく様子

余談ですが、以前プラスターボード張りを体験したときにこのボードの約半分の重さの物を張るのに素人の大人4人がかりで四苦八苦し、プロのすごさを痛感させられました。

4人がかりでボードを張る様子

ちなみにこのボードを張り終えるころには大工さんに筋肉がついて一回り大きくなっていたのは気のせいではないと思います。

性能ももちろんグレードアップ

元の内壁を撤去したことにより施工できるようになった性能アップ工事も紹介します。
それは断熱工事です。
内壁をめくると中には土の壁が出てきました。昔の家はこれが断熱材代わりでしたが、
せっかくなので高性能な断熱材に交換します。

 

撤去した大量の土壁、50年間お疲れ様でした

断熱材(グラスウール)に交換した様子

壁の断熱性能をアップさせたので、せっかくならと天井へ断熱材も敷き込みました。
耐震に続き性能もグレードアップし築50年経った家にも安心・快適を実現しました。

 

天井に断熱材を敷き込んだ様子

改修工事ならでは!新旧の調和

改修工事では、元々あったものを残したり、改造して使ったり、完全に新しくしてしまったりと色々な方法で工事を進めていきます。
今回の工事でも建具関係は新旧を上手く調和し改修工事ならではの良さが詰まっています。

<玄関>
扉自体は交換してしまい、元々あった玄関の枠を改造し新しい建具を設置しました。

 

元々の玄関がこちら、アルミの扉でした

枠を改造し、木製の建具を取付けます

元々の玄関枠を改造しそのまま使っているので、外壁や玄関の床をめくらずに設置できます。

 

<テラスサッシ>
庭に面したサッシを新しくしました。
元々はアルミ製の一般的な引違いサッシがついていましたが、こちらは枠ごと撤去し木製のサッシに取り替えました。

 

元々のテラスサッシ

新しく設置した木製サッシ

サイズは元のサッシと同じですが、木製サッシにすることで木の温かみが出て部屋の印象がゴロッと変わります。

おわりに

今の時代、新築工事では当たり前のように行われている耐震工事や断熱工事ですが、
改修工事の場合、どのように施工すれば耐震や性能の向上ができるかを考えながら進めていきます。

お客様がいかに安心や快適を手に入れることができるかを考え、最善の方法を選択するには様々な施工方法を知っておく必要があります。

改修工事に携わるたびに視野を広げて知識を蓄えるよう心掛けています。
いつか改修工事は太田にお任せと胸を張って言えるようになるために!

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