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こんにちは、ディレクターの太田です。
仕事の癖というのは普段の生活の中でも出てしまうという方は少なくないのではないでしょうか。
私の場合は、飲食店や人の家に行った際にどんな仕上げ方をしているのだろうと天井を見上げて歩いたり、ちょっと壁を触ってみたりと建物観察をしてしまうことです。
癖ではありますが、日々の生活の中でも仕事に生かせることができることはないかと向上心を忘れないようにしています。
今回は、そんな建物の仕上げ観察癖を持つ私が担当している鉄筋コンクリート造住宅の現場も仕上げ工事の段階へ入りましたので、現場進捗をご紹介していきます。
TABLE OF CONTENTS
外壁仕上げ工事
前回のブログで紹介しました外装下地の上に仕上げ工事を施します。
[前回ブログURL]鉄筋コンクリート造住宅の現場進捗状況を紹介します ~外装編~
下地工事は左官のみで行いましたが、そこへどのような仕上げをするかは様々な種類があります。
今回のお宅の外壁の仕上げは、タイル貼り仕上げと塗装仕上げの2種類があります。
それぞれの仕上げの手順に沿って紹介していきます。
タイル貼り仕上げについて
1つ目はタイル貼りです。
使用したタイルは20㎝×40㎝のサイズです。
それを縦に使い、タイルの継ぎ目を半分ずらす「馬張り」という貼り方です。
馬の足跡のように交互に貼るという意味です。
縦横に基準となる糸を張り、それに沿って位置を一枚一枚調整していきながら専用のボンドで貼り付けていきます。
今回使用したタイルは厚みに種類があり、厚みの違うものをランダムに配置することで陰影が出て外壁の表情としてアクセントとなり、際立った仕上げとなっています。
タイル継ぎ目の凹凸をより目立つようにするためにタイル継ぎ目に入れる目地材を使用せず、タイル同士の隙間を均一に貼る施工を行いました。
糸一本で均一な隙間を作る職人さんの技術があってこそ、タイル自体の良さを引き出せました。
使用タイル:LIXIL HAL-420/STC-BS2
塗装仕上げについて
2つ目は塗装です。
アイカ工業のジョリパットJQ-650という材料を使いトラバーチンという模様で仕上げました。
ジョリパットの中にもいろいろな種類の材料があり、外壁や内装など使用する箇所で使い分け、色や仕上げ模様の組み合わせで何通りにもパターンがあります。
アイカ工業:ジョリパット紹介ページ
http://www.aica.co.jp/products/fill-w/jolypate/
トラバーチン柄の施工手順は、まずベースの塗材を薄く吹き付けて下地に色付けをします。
色むらが出ないように均一に材料を吹き付けるのは熟練された技術が必要です。
その上からトップ仕上げ塗材をコテで厚塗りしていきます。
厚塗りすることよって模様をつけれるようになります。
狭い足場の中でコテを使い材料を均一に塗り付けるには職人さん同士で邪魔をしあわないようにチームワークが必要になってきます。
厚塗りした材料が乾く前に表面に刷毛を使いトラバーチン柄という模様をつけていきます。
トラバーチンというのは化学沈殿岩のことでその岩の模様に似せたものをトラバーチン柄と言います。
最初、トラバーチン柄と聞いたときに虎柄に関係していると思ったのは私だけではないはずです。
1つ1つ職人さんの手作業で模様をつけていく為、まったく同じ模様は2つとしてできません。
このよう塗装仕上げはお家としての特別感が出てきます。
足場を撤去し全体の確認
タイル貼りと塗装の仕上げが完了するといよいよ足場の撤去です。
ここまで部分部分での確認であった外壁仕上げをようやく全体を通して確認することができます。
足場シートをめくると全貌が明らかになりました。
この瞬間はいつも建物全体がどのような見え方をするのかワクワクします。
タイル貼りと塗装の仕上げが良いバランスで素敵な外壁が完成しました。
外壁仕上げの使い分けにより、別角度から見ると建物の表情が変わります。
おわりに
お家ができていくのを見られたお客様がとても喜んでおられる様子を見られるので、工事が仕上げ段階に入ってくるとお客様が現場に来られるのが楽しみになってきます。
特に足場を解体し外壁の仕上げ全体を見られたときのお客様はとても良いリアクションをしていただけるので、監督冥利に尽きます。
そんなリアクションは、ここからまた竣工に向けてお客様が喜んでいただけるお家にする為に気を引き締めなおして進めていこうというエネルギー源となっています。
次回は内部仕上げ工事編をお届けします。