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屋根葺き材、ガルバリウム鋼板をオススメする理由はこれだ!

こんにちは、代表の坂本です。

弊社が手掛けて参りました建物にはいろんな形があります。

そして外観をデザインする材料もいろんな仕上げ材があり、お客様の好みを理解し、提案させていただいております。

先日、メンテナンスに伺ったお宅の外壁は塗装仕上げ、屋根にはガルバリウム鋼板を使用したシンプルな住宅です。海に近く塩害などの心配がありましたが、屋根を点検したところ汚れなどなく綺麗な状態を保っており、ガルバリウム鋼板の屋根を提案してよかったと感じました。

そこで今回は、屋根形状を含めた建物全体のプロポーションにもよりますが、弊社が屋根材料を選定する際にまずオススメしているガルバリウム鋼板屋根について説明していきます。

三角屋根が特徴的なNEWTOWN HOUSE

 

ガルバリウム鋼板と他の屋根材との違い

ガルバリウム鋼板は、亜鉛めっき鋼板に比べ、3~6倍の耐食性と優れた耐熱性・熱反射性を持つ溶融55%アルミニウム+亜鉛めっき鋼板です。

JFEガルバリウム鋼板HPより引用

ガルバリウム鋼板は高い防食性を活かして、建物の外装(外壁、屋根)材料、あるいは雨樋、笠木、ベランダまわりなどの各種建築材料として多く使われています。

そんな中、住宅の屋根材と使われるガルバリウム鋼板と他の材料を大きく3つに分類して比較した表で説明いたします。

・金属系(ガルバリウム鋼板・トタン・ステンレス鋼板等)

・スレート系(コロニアル、カラーベスト等)

・瓦系(粘土瓦、スレート瓦等)

金属系(ガルバリウム鋼板) スレート系 瓦系
耐 久 性 高   ◎ 低   △ 高   ◎
価  格 中   〇 低   ◎ 高   △
耐 震 性 高   ◎ 中   〇 低   △
断 熱 性 低   △ 低   △ 高   ◎
防 音 性 低   △ 中   〇 高   ◎
メンテナンス性 高   ◎ 低   △ 低   △
施 工 性 高   ◎ 高   ◎ 低   △

 

ガルバリウム鋼板屋根の葺き方、パターン

金属屋根は建物にあった様々なデザインが楽しめるのが魅力のひとつですが、ガルバリウム鋼板の屋根は2つにわけることができます。「縦葺き」と「横葺き」です。

屋根の外観がストライプ(縦じま)に見えるものが「縦葺き」、ボーダー(横じま)に見えるものが「横葺き」です。

  「縦葺き」 ガルバリウム鋼板 立平葺き シルバー

「横葺き」 ガルバリウム鋼板 横平葺き ガンメタリック

 

◇ 縦葺き

縦葺きとはガルバリウム屋根材が屋根勾配に対して縦方向(ストライプ)になるように配置する施工方法のこと。雨が流れる方向に屋根材を葺いた形状です。

屋根材メーカーによって「立平葺き」「縦平」「縦ハゼ葺き」「竪ハゼ」などと呼ぶことがあります。

縦葺きのデザインはまっすぐに通ったラインの綺麗さです。シンプルモダン系のデザインに相性がよく、シャープな外観を演出します。

機能面では、屋根材の重なり部分が縦方向に伸びていて、雨の流れもスムーズで雨漏れがしにくい形状となっております。そういった特徴から屋根勾配も横葺きに比べて緩く設計することができます。

      ガルバリウム鋼板 立平葺き ブラック

 

◇ 横葺き

横葺きとは、ガルバリウム屋根材が地面に対して屋根材を平行に横方向に配置する施工方法のこと。横葺きには「段葺き」と「平葺き」の2種類に大別できます。

屋根材どうしの重なり部分に段差がある「段葺き」は段差の影ができ、立体的なイメージになります。ジョイント部分が薄くフラットな「平葺き」はスッキリ、シャープなイメージになります。

横葺きはパターンの種類が豊富で、平葺きは曲線など複雑な形状にも対応しやすい特徴があります。神社・仏閣・洋風住宅まで、幅広い建物に採用されています。

機能面では、縦葺きに比べると屋根材の重なり部分が多く、段差ができてしまうため、縦葺きに比べてきつい勾配での施工となります。

ガルバリウム鋼板 横平葺き ガンメタリック

 

ガルバリウム鋼板屋根の自由度

屋根の仕上げ材には、メーカー規格品など決まった巾、長さ、厚みの商品を使って仕上げなければいけないものが多く、それでは細かなディテールまで拘った屋根をおさめることは難しいところです。

そんな中、ガルバリウム鋼板は加工性、形状、施工性の自由度に優れておりいろんな要望に対応のできる素材であります。

施工例を参考に説明させていただきます。

 

<リクエスト1> 『15m強ある片流れの屋根を一枚物の特注サイズで仕上げてほしい』

ガルバリウム鋼板は9mを超える長さを特注でメーカー成形することが可能です。但し、現場へ搬入するには大きいトラックの通行できる道路があることが条件となります。当該物件では現場周辺の道幅が狭く、搬入が不可能なことが判明しました。

そこでガルバリウム鋼板のロール材と加工機械を現場へ搬入し、屋根材を一枚づつ、現場で加工することにしました。

このように現場加工することで要望通り15m強のガルバリウム鋼板立平葺きが可能になりました。

ガルバリウム鋼板 ロール材と加工機械

現場成形で15m強の立平葺き材を加工

製作過程の動画:これは、なにをつくっているところでしょうか?(株式会社ヴィーコ Facebook)

 

<リクエスト2> 『扇形の形状かつ一部R型の異形屋根をガルバリウム鋼板で葺きたい』

扇形の屋根のためシート防水が適していると考えておられ、将来のメンテナンスのことを考えるとガルバリウム鋼板屋根にしたいが、R形状のため加工が難しく綺麗に仕上げることは困難ではないかという相談でした。

そこで一緒にガルバリウム鋼板立平葺きでR形状のおさまりを考えてチャレンジすることになりました。

職人さんには、屋根材の両端共に直角部分がないなか、現場で一枚ずつ丁寧に加工してもらい、R部分は吊子水切りを小割にしR型に馴染むように下地から丁寧に施工してもらいました。

そして綺麗なR加工の仕上げをすることができました。

吊子水切りを小割に加工、R形状に施工

立平葺き材をR形状に少しずつカットし、加工調整

R形状に綺麗に折り曲げ、加工できました

 

<リクエスト3> 『片流れ腰折れ屋根をすっきり見せたいので水切り無しで仕上げてほしい』

片流れの屋根で勾配の変わる屋根を腰折れ屋根といいます。腰折れ屋根は左図のように折れ点で水切りおさまりとなるのが一般的となります。

工場の機械では5mもある材を曲げることはできないため、屋根材1枚を現場で手曲げ加工することにしました。

ガルバリウム立平を1枚折り加工した腰折れ屋根

折れ点の拡大写真

見事に綺麗な折れラインの通った腰折れ屋根が出来上がりました。

 

おわりに

今回は屋根材の中から弊社がオススメしているガルバリウム鋼板についてお話してきました。

屋根は家を雨、風、日射から守るものです。そこで、耐久性、メンテナンス性、コストバランス、自由度に優れたガルバリウム鋼板を提案しております。断熱性については断熱材、気密シート、通気方法など下地を工夫して対応しています。

今後もガルバリウム鋼板の可能性を信じ、いろんな納まりに挑戦していきたいと思います。

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