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こんにちは、ディレクターの太田です。
2020年4月に新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて緊急事態宣言が出されたことにより不要不急の外出を控え、お家にいる時間が長くなった方々も少なくはないと思います。
そこで今回はお家の中で快適に過ごすには欠かせない断熱工事について、私が今まで経験してきた事を現場監督の目線でわかりやすく解説していきたいと思います。
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断熱工事を経験して
断熱とは字のごとく熱を断つための工事です。
外の熱をお家に入れない・お家の中の熱を外に逃がさない為に屋根・壁・天井・床の下地に断熱材を入れ込み断熱層を設けます。
新築工事や改修工事における断熱の方法は数多くあり、使用する断熱の材料も各部分で様々です。
一言で断熱と言っても何のために、どのようなことを、どんなふうに、工事しているのか分かりにくい方が多いと思います。
それは断熱工事を施工されている部分は基本的に隠蔽部で、完成時には見えなくなるからです。
しかし、工事中は各部分で断熱工事前後に効果をしっかり感じるため、断熱の重要性は我々現場監督が一番把握してるのではないでしょうか。
断熱材の種類と使い分け
断熱材には大きく分けて「繊維系断熱材」と「発泡プラスチック系断熱材」の2つがあります。
繊維系断熱材は、岩石やガラス・木質の繊維状の断熱材で、一般的に内壁や天井に仕込む断熱材です。
小分けにビニール梱包されており扱いやすい為、DIYで床下に敷く際に使われる方もおられます。
繊維系商品例1(出典:旭ファイバーグラスHP アクリア)
繊維系商品例2(出典:マグ・イゾベールHP イゾベールスタンダード)
発泡プラスチック系断熱材は、発泡スチロールのようなもので大きな板状になっており、基礎下・床下・屋根下地の中に使われます。
発泡プラスチック系商品例1(出典:旭化成建材HP ネオマフォーム)
発泡プラスチック系商品例2(出典:デュポン・スタイロHP スタイロフォーム)
断熱工事の施工を紹介します
では、実際に現場で断熱材がどのように使われて施工を行っているかを紹介していきます。
基礎の下には発泡プラスチック系の断熱材が敷き込まれています。
基礎の下は土なので、寒い冬に冷気が上がってくるのを防ぐ必要があります。
基礎下断熱材敷き込みの例
実はこんなにびっしりと断熱材が敷かれています
そして、建物を支える土台の間にも断熱材が隙間なく入れ込まれています。
足元は基礎下・床下の二重で断熱層を設けることが多いです。
土台の間の断熱例
ここまで隙間なく断熱材が入っていると安心ですね。
屋根の下地の中にも断熱材を入れ込みます。
屋根は、夏は直射日光で熱され冬は室内の暖気が上に上がるので、熱を「入れない」「逃がさない」の重要なポイントになってきます。
屋根下地の中の断熱例
屋根の形状に合わせて断熱材を入れていくので、大工さんの腕の見せ所です。
こちらも隙間なく断熱材が入れられています。
屋根断熱の室内側に気密シートを張ることによって、湿度を遮断し断熱効果をアップすることができます。
室内側気密シート張りの例
壁には繊維系断熱材を入れ込んでいきます。
壁も気密シートを張ることによって断熱効果はアップします。
壁の断熱例
気密シート施工後の様子
こちらの写真の工事は真夏に行いましたが、体感として、断熱材無し→断熱材入れ→気密シート張りの順に現場内がどんどん涼しくなっていきました。
構造が木造でない時も天井や壁には同じ繊維系断熱材を入れ込みます。
鉄骨造の天井・壁の断熱例
現場の作業を効率よく行うための断熱材もあります。
発泡プラスチック系商品例3(三昌フォームテック ネダフォーム)
この断熱材は床下に使われる発泡プラスチック系の断熱材です。
下地材と一体になっている為、敷き込むだけで床の下地の兼用にもなる便利な断熱材です。
白いところが断熱部分で黒い部分が下地になっているので、釘が利くようになっています。
改修工事で断熱工事を行うことも重要です。
改修工事前の瓦屋根
瓦屋根撤去後の様子
屋根下地やり替えと断熱材を入れた後の様子
こちらは瓦屋根を撤去するにあたり下地のやり替えから行った為、屋根の断熱を新たに設置しました。
おわりに
断熱工事はさまざまな方法や種類があります。
今回は私がこれまでに行ってきた断熱工事の内、最近に施工した事例を中心に紹介をいたしました。
普段お客様があまり目にすることのない部分ではありますが、快適な家づくりにはとても重要なポイントとなる断熱工事です。
内装仕上げや設備機器とは違い、家が出来て住み始めてから、やっぱり断熱をもっと施したいとなると工事は大事となり費用も余計にかかります。
家づくりの際は断熱工事の計画もお忘れなく、検討をすすめられることをお勧めいたします。