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こんにちは、代表の坂本です。
注文住宅は、いろんな部屋の間取りやどんな仕上げにするかなど自由にプランできる楽しみがあります。
しかし、何でもかんでも自由にできるわけではありません。
階段は建築基準法に関わる寸法規制や踊り場の配置、手摺の設置など、法で定められた中で考えていかなければいけません。
せっかくプランしたものが基準から外れていると元も子もありませんので、必ず寸法を確認して計画をすすめていきましょう。
そこで今回は、階段を造るうえでどのような決まりがあるのか、注意するポイント、実際にどのような階段がいいのかを話していきたいと思います。
TABLE OF CONTENTS
まずは、階段部位の名称から
階段の寸法基準をお伝えする前に、階段にはそれぞれの部位に名称がありますので、まずは名称を知ってください。
踏板(ふみいた) ・・・ 階段の足が乗る段の板全体のこと、段板(だんいた)とも呼ばれる
蹴込板(けこみいた)・・・ 踏板と踏板の間を縦につなぐ板のこと
踏面(ふみずら) ・・・ 足が乗る面のこと
蹴上(けあげ) ・・・ 階段1段の高さのこと
段鼻(だんばな) ・・・ 段の先端部分のこと
建築基準法に決められた階段の基準とは
建築基準法施行令により、住宅階段の寸法は踏板の幅75cm以上、蹴上23cm以下、踏面15cm以上にしなければいけません。
ちなみに、屋外階段(直通階段)の場合、踏板の幅は90cm以上、その他のものにあっては60cm以上です。
さて、基準通りの寸法で階段を描いてみました。
どうでしょうか? 傾斜角度が約57度とかなり急な階段となっていることが分かります。
非常に急勾配な階段となり、現実的ではないと思います。
では、どのくらいの蹴上、踏面寸法にすると登りやすい階段になるのでしょうか。
住宅以外の階段基準をもっと詳しく知りたい方はこちらから
参考:国土交通省 階段基準の合理化(平成26年国土交通省告示第709号の改正)
https://www.mlit.go.jp/common/001225722.pdf
登りやすい階段寸法ってどんなんだろう
勾配(傾斜角度)が緩いと登りやすく感じるかと思いますが、勾配が緩いと上に登るためにはそれだけ多くの段数を上がる必要があります。
また、蹴上寸法が小さかったり、踏面寸法が極端に大きすぎると歩幅とあわず、それはそれでしんどいものです。
登りやすい階段には、蹴上と踏面の関係が大きく関わってくるのです。
登りやすい階段係数は『蹴上cm*2倍+踏面cm=60前後』と言われております。
この計算に当てはめて、60より数値が小さくなればなるほど小股で歩く感じで、60より数値が大きくなればなるほど大股で歩く感じになります。
我々の住宅においては、蹴上19cm*2+踏面22cm=60 とすることが多いです。
住宅階段の寸法を考える場合、登りやすい階段係数 60~63程度でプランするのがよいのではないかと思います。
登りやすさというのは個人差もありますので、あくまでも参考にしていただけたらと思います。
おわりに
階段には法的な基準があり、奥深しいことは感じてもらえたかと思います。
階段は毎日の生活で欠かせないものです。極端に急だったり緩やか過ぎて段数が多すぎたりすると、ストレスを感じてしまうかもしれません。
住まいをプランする上で階段を考える優先順位をあげていただき、登りやすい階段の一般的な計算式を参考に、住む人が毎日快適に上り下りできる階段寸法を割り出してみるのもいいのではないかと思います。
そのうえで階段の種類、仕様などを考えていただくと、計画がスムーズにいくのではないでしょうか。
一度、今お住まいの階段、知人の家、展示場などで自分の登りやすい階段寸法を探すのもいいのではないでしょうか。