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鉄筋コンクリート造の住宅について

こんにちは、ディレクターの太田です。

春の陽気で毎日ぽかぽか気分ですが、それも束の間で、もうすぐ現場の人間にはつらい季節の梅雨がやってきますね・・・

ただ雨の日にしか気づけないこともあるはず!と前向きに良かった探しをし、梅雨を楽しむことにしています。

さて今回は、現在私が担当している鉄筋コンクリート造の住宅についてご紹介させていただきます。

一戸建て住宅においては9割を木造が占めていますが、耐震性・耐久性や断熱性能・遮音性能を優先事項として求められるお客様の「想いを形に」する場合は、鉄筋コンクリート造という選択肢もあるという事と、木造の住宅との違いを分かりやすく説明させていただきます。

鉄筋コンクリート造とは

ビルやマンションで多く用いられる構造の1つで、略称のRC造(Reinforced Concrete)という言い方も聞いたことがあるかもしれません。

簡単に言えばコンクリートの中に鉄筋が入ったもので、引張に強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートがお互いを補強し合う構造です。

一般的に「強い構造」というイメージから中高層の建物の構造と思われがちですが、近年では耐震性・耐久性への関心が広がっていることから性能や、コンクリート特有の打ち放し仕上げや部屋内に大きな空間を設けることのできるデザイン性から、RC造での注文住宅も少しずつ増えてきているようです。

 

コンクリートの中にはこんなにも鉄筋が入っています

 

鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット

メリットとしては先に述べた通り、耐震性・耐久性は他の構造に比べると非常に高く、法定耐用年数は木造と比べると倍以上の年数とされています。

法定耐用年数とは・・財務省が定めた資産ごとの耐用年数のこと

構造 法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 47年
鉄筋コンクリート造(RC造)
重量鉄骨造(鉄骨の肉厚が4mm超) 34年
軽量鉄骨造(鉄骨の肉厚が4mm以下) 27年
木造 22年

構造別 耐用年数比較表(出典:国税庁HP「耐用年数(建物・建物附属設備)」より作成)

また、コンクリートは隙間がなく気密性が非常に高い為、発泡断熱材などを用いられた住宅では床や天井付近での温度差が少ないことから冷暖房効率が良くなり、省エネ効果が期待できます。

コンクリートは音を遮断するため外部からの遮音性能も高く、床もコンクリートですので、建物内の上下の遮音性能も優れています。

デザイン性も、鉄筋コンクリート造ならではの大空間を作ることができ、空間自由度が上がります。

他にもコンクリートが不燃材料ですので、建物全体が耐火建築物となります。

 

デメリットはやはり何といってもコスト面です。

木造住宅に比べると、建築費用は高くなってしまいます。

直接的な費用に合わせて、建物自体が重くなる為に地盤の補強が必要になったり、気密性が高いことにより結露が発生しやすいので適切な換気システムを導入することが必要になったり、などという付帯する工事費用もかかってきてしまいます。

ただ、安心安全や性能を買うという意味では、1番わかりやすいところではあります。

鉄筋コンクリート造はスケジュール管理が重要

鉄筋コンクリート造は壁や床天井がコンクリートでできている為、木造のように電気の配線や水道・排水の管を柱や梁などが組みあがった後で施工するものとは違い、スイッチやコンセント、トイレやキッチン・洗面の位置・器具の選定などが確定した状態からでしか、建物を建てることができません。

お客様や設計の方に細かい寸法まで先に決めていただかないといけない為、変更がでないよう、施工者としても決め事のスケジュール管理を徹底する必要があります。

建物が建つ前から使い勝手などをお客様に想像していただき決めていただくためには、サンプルや図面などの準備が重要になってきます。

 

コンクリート打設のポイント

決めないといけないこともすべて終わり、いざコンクリートを流し込む工事に進めるときには様々な確認と管理項目があります。

コンクリートの中に入る鉄筋が必要なところに必要な数量あるかどうか。

鉄筋が正しい量で適切な位置にあるかの確認と記録

 

電気の配線用の管が適切な位置・ルートにあるか。

電気配線用配管の位置・ルートの確認(オレンジ色の物が配線用配管)

 

窓の位置の寸法があっているか。

細かなことまで書くとすごい量になりますが、1番重要なポイントはコンクリートをきれいに流し込むこと。鉄筋コンクリート造は、型枠といわれるもので形を先に作ってしまったものに鉄筋を入れ込み、コンクリートを充填し形成していきます。

型枠(木のパネル)で形を作っていきます

 

そのコンクリートを充填することをコンクリート打設といいます。

私が初めて鉄筋コンクリート造の住宅の管理を任された際に、弊社代表の坂本より「鉄筋コンクリート造においては、各階のコンクリート打設がメインイベントになる。だから管理者として、一番の力の入れどころ」という教えをもらいました。

コンクリート打設までに準備してきた各業者さん達の集大成として、コンクリートを隙間なくきれいに充填するためには、管理者と作り手が一体とならなければいけません。

コンクリート打設中は現場の全員が一体となります

 

コンクリートの中に空気が入って隙間ができないように型枠を叩いて空気を逃がす必要があり、コンクリート打設中に管理者の指示のもと型枠を一斉に叩く様はお祭りのような状態です。

型枠を叩く用の木槌

機械式で振動を与える道具もあります

おわりに

鉄筋コンクリート造はスケジュールの序盤に決めてしまわなければいけないことが多いですし、建物の全体像が見えてくるのが木造住宅よりは遅いです。

そんな中お客様がストレスなく家づくりを進めるために、現場では完成後の生活を想像しやすくするための工夫をすることを心掛けています。具体的にどのような工夫をしたのかは、今担当している現場の報告とともに、別の機会に発信させていただければと考えています。

鉄筋コンクリート造の住宅を建てるお客様は、木造に比べコストが高くても安心安全や性能を重視し、選ばれるのだと思います。そんなお客様の想いが詰まったお家には、しっかりコンクリートも詰め込むために、木槌片手に管理徹底していきます。

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