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こんにちは、ディレクターの太田です。
前回、木造平屋住宅改修工事の進め方(前回ブログURL:https://vico-co.jp/blog/2836/)を紹介させていただきました。
今回は少し目線を変えて、工事の進捗説明には欠かせない現場でよく使う建築用語と、改修工事ならではの
トラブル及び対処方法などを紹介させていただきます。
専門用語が行き交う大工さんの打ち合わせ風景
TABLE OF CONTENTS
これで習得!?職人さんが使う建築用語の解説
建築用語は膨大にありますが、普段現場で大工さん達が良く使う言葉の中で
知っておけば「なるほど、そんなことを言っていたのか」となりそうなものを一部ピックアップして紹介させていただきます。
納まり(おさまり):
部材の取り合いや取り付け具合、落ち着き具合、仕上がり具合、などを指します。納まりが合理的で、きれいな取り合わせになることを、「納まりがよい」と言います。
矩(かね):
直角のこと。
かね折りと言うと直角に曲げることや、直角に曲がった形のことを指します。
また、直角を求めるための物差しを「曲尺(かねじゃく)」、若しくは 「指矩(さしがね)」と言います。
指矩(さしがね)
天端(てんば):
各部位や部材などの上面のこと。また、「上端(じょうたん)」とも言います。
窓の天端部分
使い方)
この壁からの矩手出して壁起こして開口天端は窓に揃えたほうが納まり良いな
訳)
壁から直角のライン上に壁を作って開口の高さを窓に揃えたほうがきれいに見えるな
元々あった壁から直角を出して壁を作った様子
どのポイントを基準にして直角にするかを検討する大工さん
突付け(つきつけ):
木工事において二つの材木を突合わせて、釘や接着材などで接合する方法
突付けのイメージスケッチ
揃(ぞろ):
2種の部材がぶつかる箇所の仕上がり面が、同じ高さにそろう様。
面落ち(めんおち):
相手材より、その面の部分だけが下がっていること。面を揃えていない納まり方。
面落ちのイメージスケッチ
面取り(めんとり):
木材角形断面の出隅角を、保護や装飾の目的で削り取り加工したもの。
面取りには様々な種類があります
画像引用:住宅建築専門用語辞典
逃げ・遊び(にげ・あそび):
部材の狂いや、施工時の誤差に対処するため、あらかじめ部材間に小さな隙間を作るなどの処置をしておくこと。
使い方)
既存床に新設フローリング突付けたら下地が悪いと揃にならないし、
面取りして面落ちくらいで逃げた納まりにしようか
訳)
元々の床に新しく敷くフローリングの仕上がり面を同じにして突き合わせたら
下地の状態が悪かったら同じ高さにならないから、
角を削って面を揃えないで少しだけ隙間作る方法できれいに仕上げようか
古い床と新しい床の接合部を検討しながら床貼を行う大工さん
建築用語引用:住宅建築専門用語辞典(http://www.what-myhome.net/index.html)
こんなことが起こったらどうするの?
木造住宅において、木は生き物なので木の乾燥具合や様々な影響で建物自身が経年で動くことがあります。
そうすると建物の水平垂直が狂う場合があります。
そんな時はまず柱を垂直に直してあげることから始めます。
必要に応じて柱を入れ替えることもあります。
改修工事において家の水平垂直を直してあげるのは大きなポイントとなります。
傾いていた柱を引っ張って垂直の状態に戻している様子
(ヴィーコVICO施工:築80年古民家改修工事)
次に床の水平を直します。
今回の工事では床組みをすべて新しくしました。
床の水平が取れていないと生活をしている際に気分が悪くなることもある為
改修工事を行う際は床水平が出ているかのチェックを行うことをお勧めしています。
床組みを新しくした様子
見逃し厳禁!改修工事の注意ポイント
改修工事で壁や床をめくる工事をする際は必ず、白蟻に注意です。
普段見えていなかった部分において万が一白蟻に食われていれている箇所が見つかれば早急に対処を行う必要があります。
主要な構造部分(柱・梁)が白蟻に食われていた場合は、新たな材に入れ替える等の対応を行います。
床の下地材が白蟻に食われていた様子
白蟻はおいしい部分だけを食べて引越し済み
現在進行で白蟻がいているのか、白蟻に食われた後で白蟻は引越し済みなのか、
そういった部分も専門業者に見ていただくことをお勧めします。
専門業者に依頼した場合は調査も含め新たな防蟻対策も行ってくれます。
次に床下に思わぬ物がないかのチェックも必要です。
思わぬものとは例えば井戸などです。
古い家ですと稀に床下から井戸が出てくることがあります。
井戸が出てきた場合はその井戸が生きているのか死んでいるのか、どのように埋めるのかを検討する必要が
あります。
今回の工事のお宅では床下から囲炉裏が出てきました。
いつ頃まで使われていたのでしょう。
もったいない気もしましたが撤去させていただきました。
床下から囲炉裏が出てき様子
おわりに
今回は現場紹介とはまた少し違った内容でお届けさせていただきました。
改めて建築用語と向き合うと、普段使っている現場内での言葉が建築業界ではない人には伝わりにくいことが分かりました。
今後はお客様などに現場の説明をする際には気を付けて丁寧な説明を心掛けようと思います。
もし、建築用語に興味がある方は工事現場の近くを通った際にでも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。